Page 326 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 通常モードに戻る ┃ INDEX ┃ ≪前へ │ 次へ≫ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼卓上型高圧蒸気滅菌器とカストについて等 ゆきれもん。 14/9/1(月) 22:39 ┗Re(1):卓上型高圧蒸気滅菌器とカストについて等 会長。 14/9/2(火) 21:15 ┗Re(2):卓上型高圧蒸気滅菌器とカストについて等 ゆきれもん。 14/9/3(水) 20:21 ┗Re(3):卓上型高圧蒸気滅菌器とカストについて等 会長。 14/9/4(木) 10:59 ┗Re(4):卓上型高圧蒸気滅菌器とカストについて等 ゆきれもん。 14/9/4(木) 12:12 ┗Re(5):卓上型高圧蒸気滅菌器とカストについて等 会長。 14/9/5(金) 12:54 ┗Re(6):卓上型高圧蒸気滅菌器とカストについて等 ゆきれもん 14/9/5(金) 23:52 ┗Re(7):卓上型高圧蒸気滅菌器とカストについて等 会長。 14/9/7(日) 14:13 ─────────────────────────────────────── ■題名 : 卓上型高圧蒸気滅菌器とカストについて等 ■名前 : ゆきれもん。 <yuki0717remon@docomo.ne.jp> ■日付 : 14/9/1(月) 22:39 -------------------------------------------------------------------------
度々の投稿になりますが、どうぞよろしくお願いいたします。 勤務先施設では、AC機器として卓上型高圧蒸気滅菌器を使用しています。 別件でメーカーとやりとりをしていたところ、本製品に滅菌バッグを使用しての滅菌は不適切であり、専用カストの使用が推奨されると、指摘を受けました。 本製品の取り扱い説明書は、以前より行方不明だそうです。 Webにて検索をしましたが、既に販売終了製品のためか、見当たりません。 現在、紙-フィルムタイプのバッグに機械を投入し、ACをしています。 専用カストに変更するべきでしょうか?また、その理由をご教授願います。 メーカーからは、卓上型高圧蒸気滅菌器はルーチンの滅菌業務には不適切と、併せて指摘がありました。ガイドラインに準拠した教科書には、AC時間と設定温度を適切な設定にし、使用するとあります。こちらも、ご意見を伺いたく思います。 よろしくお願いいたします。 |
▼ゆきれもん。さん: いつも研究会の掲示板を利用していただきありがとうございます。 ゆきれもんさんの施設には他のACはありませんか。 また、卓上型高圧蒸気滅菌器でどんな器材を滅菌していますか。 ゆきれもんさんの施設で使用している高圧蒸気滅菌器(AC)は、フラッシュ滅菌器(ハイスピード滅菌器)といわれるカテゴリの滅菌器だと思います。 ACには、クラスB(プレバキューム式、真空ポンプ付)とクラスN(フラッシュ滅菌器、ハイスピード滅菌器)の真空ポンプがない滅菌器やクラスS(クラスBとクラスNの中間タイプ)で滅菌器によって滅菌可能な器材が決まっています。 クラスNのACはメーカーからのご指摘の通り、滅菌物を滅菌バッグや綿布、不織布などで包装すると乾燥が不十分となるため汚染する危険性があり、保存することができないので、それらで包装してはいけません。 可能なら滅菌物を専用のカストに入れて滅菌して、滅菌後は長時間の保存ができないので直ちに使用するようにしてください。 湿潤している滅菌物が長期間保存できない理由は、乾燥している滅菌物より汚染する確率が高くなることや鋼製小物などが劣化(錆びなど)する危険性があります。 フラッシュ滅菌(クラスN)は、ルーチン使用は避けて緊急時の使用に限定することや専用のカストを用いて滅菌することが必要です。 詳しくは、日本医療機器学会の「医療現場における滅菌保証のガイドライン2010」のP28に記載してあるので参考にしてください。 ガイドラインに準拠した教科書には、AC時間と設定温度を適切な設定にし、使用するとあります。 ⇒どのガイドラインに記載してありますか、教えてください。 どうしても滅菌バッグで包装した滅菌物を滅菌する場合は、滅菌チャンバー内のどこに置いても確実に滅菌・乾燥が可能かどうか検証する必要があります。 |
こんばんは。丁寧に説明して頂いて、とても助かりました。 当施設ACは、他職場には真空式タイプがあるそうです。しかし、長い慣習の中で、各職場で洗浄-滅菌が行われています。本来なら、中材を設けて一括管理が正しい運用だと理解しています。今後、そのような運用に変更できないか、模索したいと考えています。 話が前後しますが、職場は内視鏡検査室になります。主に滅菌処理を施す機器は、生検鉗子・鑷子・スコープボタンになります。また、職場にはWDは存在しないため、用手洗浄・超音波洗浄後にACになります。 卓上型高圧蒸気式滅菌器の運転試験には、PI・CI・BIを用いています。試験合格をもってして、カストを使用せず紙ーフィルムタイプの滅菌パックで滅菌を施しています。BIは週に一度のテストになります。卓上型高圧蒸気式ACでも、BIの試験は適切なのでしょうか?勉強不足かと思いますが、調べた範囲ではそのような記載は見当たりませんでした。 ガイドラインに準拠した教科書に記載があった内容は、真空式ACについて記載されている内容でした。私の読み込み不足です。申し訳ありませんでした。 長文失礼しました。ご指導頂けると、助かります。よろしくお願いいたします。 |
▼ゆきれもん。さん: ゆきれもんさんの施設の規模がよくわかりませんが、現場での洗浄や滅菌は医療法から避けるように規定されており、保健所の医療監査でチェクされることがあるので、洗浄や滅菌の中央化を是非進めてください。 院内に真空式ACがあるのなら、安全性や滅菌の確実性を考慮してそちらを使うべきです。 卓上型ACで滅菌した滅菌バックの乾燥状態は、いかがでしょうか? 十分に乾燥していないと思います。 卓上型ACのBIの使用頻度ですが、ACを使用する日は必ず実施して、BIの陰性を確認してから通常の滅菌物を滅菌することが必要です。 また、CIはクラス4〜6を各滅菌物の中に入れて評価することも必要です。 これらの実施方法については、医療現場における滅菌保証のガイドラインに記載してあるので、参考にしてください。 |
ありがとうございます。 ご指摘のとおり、卓上型ACは乾燥状態が良いとは言えません。現場では黙認されて来たようです。会長様の仰るように、中央化に粘り強く取り組んで行きたいと思います。 もう一つ質問させて下さい。卓上型ACにてBIを毎日確認する目的は、何故でしょうか? |
▼ゆきれもん。さん: 卓上型AC(フラッシュ滅菌器)は、医療現場における滅菌保証のガイドラインに以下のように記載されています。 フラッシュ滅菌は,緊急時の滅菌処理として用いられることから,通常の運転工程に対して時間短縮が求められ,空気排除工程と乾燥工程が削減される場合が多い. 通常の工程と比べ,BIの判定を待てないなどモニタリング方法に制限が生じる,滅菌後の微生物汚染の可能性が高まる,滅菌物が冷める前に患者に使用され火傷につながる可能性が高まる,といった懸念から,緊急時のみの使用に留めるべきであり,日常的な使用は望ましくない.特に,インプラント器材をフラッシュ滅菌してはならない. 空気排除工程の削減は,空気と蒸気の置換量を減少させる結果となるので,滅菌物は蒸気接触が起こりやすい未包装が望ましい.また,管腔器材など空気排除の困難な滅菌物は滅菌効果について十分な情報や事前検証を実施した上で実施しなければならない.また重力置換式蒸気滅菌器で処理する場合,空気は蒸気に比較して重いために下部に偏在する傾向にあるため,滅菌物は中心より上方に配置することが望ましい. フラッシュ滅菌をおこなう場合には,対象とする滅菌物および包装形態(未包装を含む),滅菌物の設置場所を規定し,滅菌条件を評価する必要がある. 評価された滅菌条件,包装形態,滅菌物の設置場所を変更する場合には再評価を実施しなければならない.フラッシュ滅菌では滅菌不良のリスクは高いため,通常の管理項目に加え,対象器材,使用理由など使用方法を特定できる項目を記録・保管することが望ましい. 以上のことから、フラッシュ滅菌は通常の滅菌器と比べて、簡易的な滅菌方法となるのでBIを毎日使用して評価することが必要なのです。 |
こんばんは。 丁寧にご指導頂き、ありがとうございます。 ガイドラインに記載されている箇所を、担当上司に見せましたところ、毎日BIをするように書かれていないと、返されました。 しかし、会長様にご指導頂いたように、毎日のBI確認をするべきだと思います。 粘り強く取り組んで行きたいと思います。 では、失礼します。 |
▼ゆきれもんさん: 卓上型のAC(フラッシュ滅菌)のBIの使用頻度については、滅菌保証のガイドラインP84 8.2勧告に、滅菌の実施日毎に使用すると明記してあります。 ガイドラインをもう少し精査して、上司と交渉するようにしてください。 |